コロナに関する本音
皆様ご承知のように、私はポーズやポジショントークが苦手です。もっと上手くセールストークを使えればと思うことも多々ありますが、どうやら気質的に無理なようです。
ただこれでも、何でもかんでも歯に衣着せぬ本音を語ればいいと思っている訳ではありません。なぜならば、たしかに本音というものは直截な誠実さはあるかもしれませんが、それを聞く人によっては、不愉快にさせたり傷つけることがあるということを、私も一応弁えているからです。
しかし、コロナに関してはそうも言っていられません。
なぜならば、アカデミアは複数の人間が集まる公共に準じる場所であり、そこにおける感染対策は私のコロナに対する個人的見解に基づいて行われている以上、アカデミアが安全な場所なのか、それとも危険な場所なのかを皆様それぞれのお考えに則って判断していただけるようにするために、コロナに関するポーズではない本音を公にする義務があるからです。
よって、これから詳らかにするコロナに関する私の本音は、けっして科学的、客観的なデータに基づくものでなく、あくまでコロナに関して私がどう考えているかという主観にすぎません。そしてそれは、その考えを主張して広めたいとか他人を説得するためのものではなく、皆様それぞれのお考えによって判断をしていただくための単なるマテリアルなのです。そのマテリアルを読んで、コロナに対して楽観的にすぎると思う人もいるかもしれませんし、反対に過剰反応をしすぎていると思う人もいるかもしれません。それは私には分からない。
私にできるのは、自分がどう判断しているのかをポジショントークではなく率直に語ることだけです。
以上を踏まえて上で、以下をお読みいただければ幸いです。
「Cov-n2019の伝染力」
Cov-n2019は新型コロナウイルスというくらいですから、当然のことながらコロナウイルス、すなわち風邪のウイルスの一種です。よって、その感染方法は従来の風邪の同じです。つまり、空気感染、飛沫感染、接触感染。
多少は旧型よりも新型の方が感染力が強い可能性がありますが、基本的にはその三点において風邪がうつる条件下では新型コロナもうつるし、風邪がうつらない条件下では新型コロナに感染するリスクも高くないでしょう。
ようするに感染者の飛沫が直接かかることを避け、感染者と同じ空気を吸うことを避け、感染者と直接触れ合うことを避ければ、普通の風邪が感染らないのと同じように新型コロナもそうそう感染るものではないでしょう。感染するとしたら、結局はソーシャルディスタンスや換気が不十分で、空気感染か、飛沫感染か接触感染のどれかをしているのです。
「燃えるもの」「高温」「空気」を排除すれば決して火事が起こらないのと同じように、新型コロナも感染者との空気、飛沫、接触を排除すれば感染は起こりません。もちろん、それを100パーセント完全に排除することはできませんが、先述のように新型コロナも風邪の一種なので、従来の風邪が感染らない条件を空気、飛沫、接触において調えておけば、防護服やガスマスクまでは必要ないでしょう。もちろん、100パーセント安全とは言いませんが。
なお、コロナ対策のポーズとして店舗やサービス業で頻見されるフェイスシールドやビニールの簾、透明のつい立ては、飛沫が直接他人の顔にかかるのを防ぐには有効ですが、もしその部屋が常時換気されていなかったり、換気されていても過密状態であれば空気感染を防ぐ役には立ちません。
知っての通り、空気中の微粒子は、暗い部屋で舞っている埃にブラックライトを当てるとよく分かりますが、ブラウン運動(ランダムな運動)をするため、シールドとは無関係に部屋の空気中に拡散するからです。
もちろん、シールドの類いが無駄だと言いたいのではありません。ただ、シールドの効果をお守りのように過大評価しすぎて、閉ざされた居酒屋で大人数で大声で酔っぱらって大騒ぎしたり、窓のない教室に子供を隣り合わせに座らせて押し込むようでは、かえって本末転倒だと私は思っているとお伝えしたいのです。
「なぜCov-n2019を恐れるのか」
上述のように、従来の風邪の伝染を完全に抑え込む条件を調えれば、新型コロナの伝染も起こらないと私は考えています。また一年前とは違い、すでに多くの臨床回復例が積上っているので、一般的な致死率は低いウイルスだということも分かりつつあります。それにもかかわらず、なぜまだ恐れなければならないのか?
一つ目は、別項で指摘したようにクラスター感染が起こることによる統計学的な作用によるウイルスの強毒化です。今流行している株が比較的おとなしいウイルスだとしても、人々が気を緩めてクラスター感染を起こしてしまえば、感染力の強い強毒株が優位になってウイルスが一気に凶暴化する可能性があります。だから、ワクチンによる防疫体制が完成するまでは、ソーシャルディスタンスを維持すべきでしょう。
二つ目は、後遺症、ならびに複数回の感染の症状が未知数であることです。私はこれを最も警戒しています。たしかに、新型コロナはSARSに比べるとおとなしいウイルスですが、その後遺症が従来の風邪ウイルスとはかなり異なります。たとえ軽症で回復しても、その後遺症が長期的なクオリティオブライフや寿命に与える影響は未知数です。また、一回目は無症状、もしくは軽症でも二回目、三回目の感染で何が起こるかはまだ分かりません。一度かかったらかからないとか、二回目以降も重症化しないといったい誰が言いきれるでしょうか?
よって、長期にわたる後遺症の影響や複数回感染の実態が多数の臨床例ではっきりするまでは、新型コロナに対して用心をするべきだし、仰々しくはないにしても一般の風邪が伝染しないのと同じ条件の対策は維持すべきだと、私は考えています。つまり、マスク、手指の消毒、常時換気、ソーシャルディスタンス。
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