【緊急事態宣言後のコロナ対応(2021年1月19日)】
名ばかりとは言え、緊急事態宣言が出されて十日が過ぎました。
昨年二月に遡る一連の「コロナ対応の沿革」が示している通り、アカデミアでは、まだ世間ではコロナが軽視されていた二月に早くもコロナ対策を実践し、同時にオンライン授業の準備を進め、三月には全国に先駆けて運用を開始、四月には政府が緊急事態宣言を出す前に全面オンライン授業に踏み切りました。
その後六月に宣言が解除され楽観が支配し、高名な科学者がファクターX論を唱え、どのマスコミもどの専門家も、いわんやどの塾も冬に再びコロナが流行し緊急事態宣言が再び出されるとはお首にも出していなかった時、また九月からは国民がGo toに夢中になった時も、十月にまだ日本人が諸外国の状況を他人事のように傍観していた時も、狼少年の誹りを受けることを恐れず一貫してコロナ再流行と再ロックダウン、再オンライン授業に備えるように警鐘を鳴らし続け、オンライン授業のインフラを維持してきました。
そして十一月には、気温低下による大規模な流行と来るべき再緊急事態宣言を早々と確信し、全面オンライン授業への移行ガイドラインを公にして現在に至っています。
しかし私は、予想が的中したと小躍りをしている訳でもなければ、自らの慧眼を誇りたい訳でもありません。なぜならば、そもそも予想などしていないからです。
およそ一年前に、新型コロナという未知の事象が私たちの現実に投下された。未知の事象に対しては、それに最も類似した既知の事象に照らし合わせて、起こりうる幾つかの結果を「想定」し、それぞれに対して対応策を講じておく。そして、その事象の検証が完全に済むまでは、悲観も楽観もせず、結論も急がない。ただそれだけです。
新型コロナが従来のコロナやインフルエンザに近いウイルスであるからには、エボラのような殺人ウイルするではないにしても、何の前触れもなく突然消滅することは考えにくいので、そうでないことを期待するにしても、気温が低下すれば再流行するだろうという想定をしておくのは当然のことです。だから一貫して、その想定を公にし続けてきたのです。それが、特定多数の人間が集まる場所を運営する人間としての社会的責任です。
それでは、私たちは今後どのような事態を想定しておけば良いでしょうか?
第一に、例年インフルエンザ流行のピークが二月上旬であることを考えると、コロナの新規感染者が受験前に増加する可能性を想定すべきでしょう。その場合、小中学校でクラスターが起これば自主ガイドラインに従って、アカデミアは全面オンライン授業に直ちに移行します。
第二に、真夏を迎えている南米やサブサハラのアフリカ諸国で目立って新規感染者が減少していない(インドは減っています)状況を踏まえると、気温の上昇が今夏もコロナを抑えてくれると楽観はできません。
第三に、ワクチンが確立しているインフルエンザでさえも毎年必ず流行が発生していることを踏まえると、コロナだけが例外的にワクチンで全ての問題が解決するとは想定しにくい。
よって、未知の事象であるだけに未知の理由で状況が急に好転する可能性は排除できないものの、既知の事象に照らして個人的には、数年間はコロナに対応しながらの教室運営を余儀なくされるのではないかと想定しています。
(2021年1月19日記)
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