百点満点の落とし穴

 勉強の世界では、テストで100点満点が取れると本人も親も教師も大絶賛です。そして、一度満点が取れたテストを再びやることはないし、やらせようものなら子ども達からはブーイングが飛ぶことでしょう。一度全部出来たのに、どうしてまた同じことをやらなければいけないの?


 だから、私は得点と偏差値をとるための勉強、つまり、世に言う「勉強」は素人の遊戯にすぎないと常々指摘しているのです。

 音楽の世界では練習を重ねて1曲をノーミスで通して演奏できるようになるのは、ゴールではなくてようやく出発点です。ノーミスで止まらずに演奏できるようになった曲を、何年も何十年も、千回万回をはるかに超えて弾き込んで初めて芸術性、自分の色、ニュアンスを込めて人様に聞いて頂けるような演奏に仕上がるのです。

 スポーツの世界も同様です。ウサイン・ボルトは、100m走のスタートからゴールまでベストのステップを全てセンチ単位で記憶し、その通りに全力疾走できるように練習したそうです。

 点取りの勉強しかしてこなかった人たちが、その学歴の高さの割には何も出来ないのは、一度満点を取ってしまったらそれで出来たことになる、一度志望校に受かってしまったら何事かが成就されたことになるという、スコアと偏差値の世界に特有の素人的な発想によるのではないでしょうか?

 

 芸術やスポーツといった実践の世界では当たり前の「深める」とか「究める」「極める」という発想ほど、一度マルがつけば、また一度合格すれば出来たことになるという皮相的な評価体系から遠いものはありません。


 そうであるからこそ、芸術やスポーツといった「本物の世界」の発想を勉強の世界に持ち込んで訓練すれば、いやおうなく圧倒的な学力が身に付いてしまうのです。


 アカデミアの子たちは、一度満点を取った同じテストを、毎週繰り返し入試の日まで一年間受け続けることはごく当たり前だと思っています。

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